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貨物列車の特殊性と弱点 山口県 船舶修理 出張対応

こんにちは、代表の大西です。

日本の主幹となる物流は、海上輸送と陸上輸送に大別されます。航空輸送は、主幹とは言い難いシェアなので除外です。

本来、物流と言えば、物の輸送に携わる全てであり、いわゆるKPI指数で示される範囲になりますが、ここでは広域の輸送の手段に限ったお話となります。

中でも、陸上輸送は、鉄道と自動車(トラック)に大別されます。

その中で、鉄道輸送の仕組みを紐解きながら、その必要性と問題点を考えてみます。

日本の鉄道貨物輸送は、国鉄民営化後はJR貨物が担っています。民営化当初は、鮮魚や石油、石灰や石炭などなど、ありとあらゆる荷物を鉄道で運んでいましたが、これも昔の話。今やコンテナ以外の貨物列車は、かなり限定的な地域でしか見ることがなくなりました。

国内の輸送分担割合では、鉄道輸送は実は1%を切っている状態です。

これには理由があって、鉄道輸送の弱点が、現代の急げ急げ時代にマッチしていないということが大きいと感じます。

鉄道は、線路がなければ走れませんが、日本で貨物専用線というものは、都会以外ではほとんどありません。JR貨物は、旅客鉄道(JR6社)の線路を有償で使用して貨物列車を走らせています。そのため、ダイヤ設定も自由に決められるわけではなく、待避線で旅客の追い越し待ちをする光景もよく見ます。線路を痛めつける最大要因である重量級の貨物列車は、実は人んちを走ってるわけですね。こういう表現はあまり良くないですが、事実です。

悪い方向ばかり書きましたが、鉄道輸送のすごいところは、全ての輸送手段の中で最も安全であり、かつ完璧なタイムスケジュールが確立できることでしょうか。また、トラック60台分の荷物を、運転士ひとりで運べるのも素晴らしい輸送効率です。
※まあ、機関車がめちゃ高額なんですが…

では、災害や設備トラブルによって線路が寸断されたらどうなるか。それはもう、ご想像の通りです。

貨物列車は長い物では600トン程の荷物を積んでいます。これが、予期せず突然運転打ち切りになったら、この荷物はどうなるでしょうか?そう、完全に荷物の立ち往生です。

トラックに積み替えるとしても、積み替え作業ができるところまで移動しなければなりませんし、鉄道の信号システムなどの事情によって、簡単にはバックオーライとはいかないのですね。

トラックの場合は牽引、船の場合は曳航という緊急手段がとれますが、鉄道輸送には緊急時の代替手段の確保が難しいんですね。

日本の輸送においては、絶対に鉄道でなければ運べない、という荷物はそうそう無いような気がしますし、むしろ運ぶ荷物は規格のコンテナに限定され、臨機応変なアレンジができないですよね。となると、JR貨物の、時代に準じた変化を遂げるに必要なことは、驚くようなサービス提供が求められるんですね。

じゃあ、貨物列車やめれば?と思った方、実はそうもいかない事情があるんです。旅客鉄道の収益の中で、実はJR貨物の線路使用料はなかなかなウェイトを占めており、むしろ貨物に走ってもらわなければ存続すら難しい路線も多数存在します。
※特にJR北海道。

鉄道網が全国に張り巡らされ、それが現代まで継続している要因のひとつに、JR貨物の存在があるんですね。そして国はこれの経営に補助金を投入しまくってる。

まわりまわって、全国のJRは国が支えている…ともとれる状態です。やり方が変わっただけで、鉄道事業自体は国鉄時代と実態は変わっていないのかも?

JRという民間会社と、国と、自治体が絡むとても複雑なビジネスモデルの鉄道業界。興味がある方は是非いろいろ調べてみては、いかがでしょうか?

おまけ

本日、長い道のりを経て、山口から石巻へ到着しました。途中寄り道しましたが、通算15時間ほどでした。荷物を貨物列車で運んでくれたら、飛行機と新幹線で来れたのに…と思っても、前工事や後工事の機材繰りを考えると、だいたいいつも長距離移動であってもハイエースを使う結論になります。

こういう仕事だからこそ、社用車のこまめなメンテナンスは怠りませんし、移動にリスクを背負うような車の買い方はできないのです。決して、好きだからハイエース…と言うわけでは無いと、ご理解いただけたでしょうか?w

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