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JR貨物が経営難でも倒産しない理由  山口県 船舶修理  ドローン事業 出張対応

こんにちは、代表の大西です。

弊社の船舶工務管理事業について興味を持っていただいているお客様が着実に増え、嬉しい限りであるとともに、今後の事業展開に対し、身が引き締まる思いでございます。

これも全ては内航海運のため。船舶の運行会社は末長く物流を支えていただくことが、弊社の願いであり、国民生活の基礎となります。

さて、今日は陸上輸送に目を向けてみましょう。

陸上輸送の固定インフラのひとつに、鉄道貨物輸送がございます。言わずもがな、その最大手はJR貨物さんですが、国鉄民営化以降、経営状況はあまり芳しくないご様子。

大変効率的な物流インフラに思える鉄道輸送で、なぜそんなことが起こるのでしょうか。

そもそも論ですが、国鉄時代に重宝した鉄道輸送の分野の一つに、炭鉱が挙げられます。炭鉱が発掘されれば、そこには必ず線路が敷かれ、石炭を運ぶための貨物輸送が行われました。

しかしながら、この石炭輸送は、鉄道だけで完結していることはあまりなく、基本的には港まで運び、船に載せ替えていたところは多くあります。

今でこそ全国的に鉄道網が広がったわけですが、根本的に国鉄さんも、そこまでの長距離輸送を鉄道で行う気はなかったのではないかと、勘繰ってしまいます。

時は1962年、石油の輸入が自由化され、この少し前の時期から炭鉱の閉山が顕著になります。もちろん、石炭輸送も激減し、国鉄さんの貨物事業は方向を転換する必要がある。そこで、鮮魚を運んでみたり、戦後瞬く間に普及した車を運んでみたり。いろいろな事業を展開するも、全てが長続きしなかったんですね。

続かなかった理由は、やはり、運用コストの高さにあると考えられます。

機関車の製作費用もさることながら、貨物駅の維持整備費、復路の空車問題などなど。鉄道車両って、大きさの割に、とにかく高額なんですよ。

かつて、博多や下関から、東京の築地市場まで、とびうお号と称した鮮魚専用貨物列車がありましたが、現代の目から見ると、どう考えても非効率な運用形態です。

なぜならば、帰りは必ず「空車」になる。

これがトラックならば、帰りに別の冷蔵荷物を運べるわけで、鉄道インフラにかかるコストを考えたら、トラック50台走らせる方が、コストも抑えられてかつ自由な輸送ができるわけです。

エコとは無縁な時代でしたので、このとびうお号は、国鉄とともに終焉を迎えました。

JR貨物は、ほとんどの線路を、旅客鉄道さんの線路を借りて走っています。「線路使用料」を払って。そして旅客鉄道さんは、JR貨物のために、重い列車が走れるように自社の線路を整備する。

ところが、旅客鉄道優先のダイヤ設定になっているエリアや時間帯では、貨物は自由にダイヤが設定できず、旅客列車のために道を譲る。こうした制約があることが、貨物列車が伸び悩む理由の一つでしょうね。

経営面を見るとどうでしょう。ズバリ言ってしまうと、JR貨物さんは、国からの補助金で経営難を乗り切っていることが多くあります。赤字になったら補助金を国が出すんです。

私も一企業の経営者として、なんて羨ましい話だ…と思ってしまいますが、これには、「線路使用料」が大きく関係しているでしょう。

そう、JR貨物が走ってくれないと、まあまあ困る旅客鉄道さんがあるんです。旅客鉄道において、貨物からもらう線路使用料は結構なウェイトを占めており、特に旅客が少ないエリアになると、この収益無しでは、赤字路線になってしまう。

国がJR貨物を支えることは、間接的に、JR各社を支えて、全国の鉄道網を維持していると考えることもできるんです。

まあ、よく出来た仕組みだなと思いますよ。

JR旅客の各社が様々な事業で頑張っている中で、JR貨物だけ国策企業のような雰囲気ですね。そういうわけで、JR貨物は絶対に倒産することはありません。

魅力的なサービスがなく、依然として物流全体における鉄道輸送の重量シェアが1%に留まってしまっても余裕なのは、こういう背景がありそうです。

弊社の日本国内の船舶整備におけるシェアは、まあ…0.00000000000001%くらいでしょうが、お客様にとって魅力のあるサービスを提供していけるよう、尽力していきます。

このところ更新が滞っており、楽しみにしていただいて方には大変申し訳ありませんでした。引き続きご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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